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ファイザーがインテリジェントオートメーションを拡張して患者の生活を変えるブレイクスルーを実現した方法
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デジタルワーカーは基本的に、人間が行わなくてもいいようにすべき作業に対処するように設計されたソフトウェアロボットです。デジタルワーカーは、人間が行うのと同じ方法でアプリケーションやインタフェースとやり取りします。こうしたデジタルワーカーは、特定のタスクを自動化し、決定を下し、エンドツーエンドのプロセスで作業を円滑に進めるようにプログラムして、トレーニングできます。しかも、デジタルワーカーは与えられた作業を驚くほど見事にこなします。人間が作業する場合よりも処理速度は速く、エラーが少ないため手直しが減ります。さらに、一年を通して休暇も病欠も休憩も取らずに働き続きます。
人工知能(AI)や機械学習(ML)などのコグニティブテクノロジーにより、オートメーションは一層インテリジェントになってきています。そのため、デジタルワーカーがヒューマンワーカーに代わって対処できる作業が増え、従業員は各自の業務でさらに力を発揮できるようになっています。独立して作業するか(「無人」モード)、人間と連携するか(「有人」モード)にかかわらず、デジタルワーカーは組織のデジタルトランスフォーメーションの取り組みには不可欠の要素と言えます。
このブログ記事では、デジタルワーカーとは何なのか、そしてその利用方法とメリット、潜在的な課題について紹介し、オートメーションの取り組みを始めるための要件を説明します。
デジタルワーカーは、インテリジェントオートメーション(IA)のフロントラインです。IAとは、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)、ビジネスプロセス管理(BPM)、プロセスおよびタスクマイニング、ノーコード開発、自然言語処理(NLP)、人工知能(AI)、機械学習(ML)などのテクノロジーを組み合わせたものを指します。
根本的に、デジタルワーカーは人間が行わなくてもいいようにすべき作業を引き継ぎ、人間のアクションを模倣して処理するように設計されています。例えば、
量が多く、かつ頻繁に繰り返される作業に対処するには、デジタルワーカーが最適です。このようなプロセスを自動化してデジタルワーカーを導入すると、投資利益率(ROI)が最大化され、継続的にコストを削減できます。
デジタルワーカーは人間のアクションを模倣するだけなく、複数のシステムをつなげる役割も果たします。複数のアプリケーションにまたがるプロセスや、他の部門とのやり取りが必要なプロセスは、インテリジェントオートメーション(IA)の適用先として有力な候補です。プロセス全体を自動化することはできなくても、人間にとっては単調すぎる作業をインテリジェントなソフトウェアボットに任せれば、人間の負担を軽減して作業の進行を早めることができます。特に、統合するのが難しい既存のレガシーITシステムやプロセスではデジタルワーカーが処理能力を発揮します。
たまにしか発生しない業務は山ほどあります。例えば、金融サービスや管理プロセスで月に1回または年に1回だけ必要になるタスクを考えてみてください。
チームメンバーが通常の業務を離れて、買掛金の月末決算を処理したり、広告キャンペーンの後に殺到した顧客の注文に対応したりすることになるでしょう。定期的または季節的な変動で作業量が増え、それに伴って必要人員が急増するプロセスやタスクについては、置き換えるとまではいかなくとも、通常はデジタルワーカーによって支援できます。
例えば請負業者が使用する手順書など、再現可能で文書化されたワークフローは、IAを適用する有力候補となります。このような体系的な手順は一般的に、真っ先に自動化されるものです。デジタルワーカーはヒューマンワーカーのアクションを模倣するので、これらの定義されたワークフローが、スループットを加速させる簡単な方法になります。
プロセスの中には、明確に定義されたデータ形式を使用しているものがあるはずです。事前定義または標準化された形式やドキュメントなど、明確に定義されたデータを使用するタスクの場合、デジタルワーカーは簡単にそのデータにアクセスし、データを分類してワークフロー内で使用できます。
さらに最近のプロセスオートメーションでは、AIやMLを活用したインテリジェントなソフトウェアボットを統合して効率化を進めていることから、デジタルワーカーがヒューマンワーカーに代わって対処できる作業はさらに増えています。AIとMLにより、インテリジェントオートメーション手法の成熟度が高まる中、自動化するのに適したプロセス候補の特性も大幅に広がってきています。
デジタルワーカーで次のようなタスクに対処すれば、ヒューマンワーカーは業務でさらに大きな成果を上げられるようになります。
オートメーションプログラムで作業一式をデジタルワーカーに任せれば、人間がより大きな価値がある他の作業に注力できます。
SS&C Blue Prismのデジタルワークフォースは、業務の効率化を目的に、人間がほとんど介入しなくても機能するように設計されています。デジタルワーカーは、企業全体における自己管理型オーケストレーションの未来であり、組織のプロセスに次のような数多くのメリットをもたらします。
根本的に、組織がデジタルワークフォースを利用すれば、ヒューマンワークフォースに比べてほんのわずかな時間とコストで業務を行うことができます。しかも、デジタルワークフォースの正確性は卓越しているため、作業のやり直しや遅延も防ぐことになります。このメリットだけでも、ビジネスで優れた投資利益率を達成するのに役立ちます。
従来の業務方法を続けながら、人を中心に据えた従業員エクスペリエンスを実現するのは困難です。この問題の原因は、調査や報告書作成などといった従来の細々とした業務にあまりにも多くのリソースを投じているリーダーシップにあります。
デジタルワーカーは、こうした状況を一変させることができます。デジタルワークフォースの力とリーダーの創意工夫を結び付ければ、IAで対応と成長を加速できます。実際、現在あらゆる取締役員会で最優先の議題として取り上げられている人員不足とスキルギャップには、デジタルワーカーを利用することで対処できます。
オートメーションの「脅威」に対する恐怖心が利用される場面はよくあります。ですが、素晴らしい従業員エクスペリエンスとは、突き詰めるところ、成長の機会が提供され、より有意義な仕事に取り組むことができ、目標達成をサポートするキャリアパスが用意されていることです。
AIを活用したデジタルワーカーの力は、人々のさらなる成長を支援することにあります。この力には、従業員エクスペリエンスに対する直接的な影響力があります。第一に、従業員は単調な作業から解放されるため、やりがいのある仕事に注力できます。つまり、より重要で、人間の視点にふさわしい仕事です。このことは、今までは利用できなかったようなあらゆる機会を生み出します。
オートメーションは、「静かな退職者」として最近よく見られる大規模な傾向を是正するのに役立ちます。「静かな退職者」とは、割り当てられた時間を超えて働くことはなく最低限の仕事だけをこなす従業員のことであり、その数は非常に増えています。さらに、現在、従業員が離職する主な理由の1つとなっている「キャリアを伸ばす機会はどこにでもある」という問題の解決にもつながります。
オートメーションのとりわけ大きなメリットは、好循環を生むことです。つまり、従業員の満足度が高くなれば、従業員はより積極的に業務に取り組み、組織に最善の結果をもたらすことに注力するようになります。Gallupによる調査は、「従業員が仕事に対して意欲的な企業では、そうでない企業に比べ、収益性が21%高い」という結果を示しています。
卓越したフロントラインのカスタマーサービスは、チームが実現できる最も大きな強みの1つです。単純で反復的な業務から解放された従業員は、より多くの時間を顧客に費やせます。したがって、ポジティブなやり取りによって、迅速で共感的かつ包括的なカスタマーサービスを提供できます。
その結果は明らかです。従業員の満足度が高くなれば、仕事に対する意欲も高くなり、それによって顧客満足度が向上します。
ほとんどの部門は、日常的な業務をこなすだけではなく、戦略的なビジネスパートナーになることを目指します。デジタルワーカーによって大半の日常業務の負担から解放されれば、事業部門のチームは、ビジネス戦略の全体的な枠組みの中で組織がどのように立ち回るべきかについて、時間をかけて検討できます。
チーム全体が戦略とイノベーションに鋭く焦点を当てられるようにすることで、チームメンバー全員が、ビジネスにふさわしい革新的な結果をもたらすために戦略の実施を順調に進めていくことができます。
実際のところ、さまざまな業界においてデジタルワーカーが果たせる役割は多数に上ります。デジタルワーカーは、Webサイト、API、データベース、スプレッドシート、ユーザーインタフェースを介して各種のアプリケーションとやり取りできるため、デジタルワーカーを適用できる場所は数え切れないほどあります。
デジタルワーカーは次をはじめとする一般的な事務処理を行います。
デジタルワーカーは次のような高度で複雑なアクティビティにも対処できます。
組織にオートメーションを統合する前に、オートメーションに関連する最も一般的な懸念事項の1つに対処する必要があります。よく耳にしていると思いますが、それは、デジタルワーカーに自分の仕事を奪われてしまうのではないかという従業員の懸念です。
デジタルワーカーは実際には、従業員がより価値の大きい仕事に集中して取り組めるようにし、単調なタスクから解放します。デジタルワーカーによって、従業員の業務は改善され、働き方に変革がもたらされます。要するに、デジタルワーカーは組織全体にわたって従業員エクスペリエンスを改善するのです。
毎年ROIが2倍になり、RPA、デスクトップの自動化、ALM、OCR、機械学習、データの可視化など、オートメーションの展開を続けています。」Ashish Jha Invesco、自動化ソリューション、イノベーションおよび機能担当取締役
Invescoのデジタルワークフォースについてもっと詳しく
当初、チームメンバーはボットによって自分の仕事が奪われてしまうことを懸念していました。実際は、ボットが奪ったのはチームメンバーが嫌がっていた面倒な作業です。そのおかげで、メンバーはより複雑で価値の高い作業に取り組めるようになりました。今では、各自にとって最も重要な作業に注力しています。」Ray Macdonald ATB Financial、人工知能およびソフトウェア開発担当シニアディレクター
ATBの従業員エクスペリエンスについてもっと詳しく
過去のほとんどのテクノロジーの進歩がそうであったように、業務も環境の変化とともに進化します。デジタル分野も例外ではありません。実際のところ、オートメーションがもたらす最も貴重な機会の1つは、最高のアイデアは、実際に作業を行っていて、そのビジネスを最もよく把握している担当者から生まれることに気付くという点です。こうしたアイデアを活用することで、責任をもってオートメーションを民主化できます。
IT分野以外の関係者(ビジネス自体に携わっている関係者)をプロセスの特定、検証、さらに開発にまで関与させることは、これらの関係者を支援することになります。なぜなら、ビジネス分野の関係者は業務を効率化して、ビジネス成果を向上させようと努めているからです。これは、シチズン開発と呼ばれるものであり、次の理由から非常に有益です。
組織のプロセスを自動化する前に、最小要件を満たしていることを確認してください。IAとこれに関連するテクノロジーを統合する場合、ROIを最大化するには、計画と事前の考慮が必要です。
まず、自動化に着手する前に優れたプロセスを準備する必要があります。うまく設計されていないプロセスを自動化すると、オートメーションを企業全体に拡大するのが難しくなります。現状のプロセスについて、非効率な部分とボトルネックがある場合はそれらを含めて把握し、自動化する前に修正します。
これらの主要領域の特定は、プロセスマイニングによって単純化できます。プロセスマイニングは、非構造化データを読み取って現在のプロセスの全体像を明らかにし、非効率な部分と改善の機会に関する貴重なインサイトを提供します。また、ルーチンプロセスを検査して、自動化に適したプロセスを検出します。これらのプロセスを手掛かりに、最も大きな価値を生んでビジネスにもたらす利益を最大化するプロセスを特定できます。
組織のコアシステムを調べ、デジタルワーカーを実行するうえで統合や機能のギャップがないかどうかを確認します。オートメーションには、デジタルワーカーを効率的に実行できる安定した基盤が必要です。
統合に向けてチームの態勢を整え、チームに何が期待されているのかを明確に伝えます。チームメンバーの作業の安全性を確認し、デジタルワーカーの統合と管理における役割と責任を概説した計画書を作成します。
コントロールルームのユーザー管理の担当者と、デジタルトランスフォーメーションの取り組みで重点を置く部分を決定する必要があります。チーム内にセンターオブエクセレンス(CoE)を確立すると、プロセスオートメーションが確実に構造化、最適化され、整合性とコンプライアンスが確保されます。
経営幹部および関係者と連絡を取り、デジタルワークフォースによって期待できること(ROIを含む)と、企業の効率性を高めるための計画について伝えます。
デジタルワークフォースを最大限活用するのに最も効果的な方法は、デジタルワークフォースを別のエンティティとして考えないことです。ヒューマンワークフォースとデジタルワークフォースの両方からなる、自由に、そしておそらく無限に使用できる1つのワークフォースであるという考え方が必要です。これはつまり、ヒューマンワークフォースの場合と同じように、デジタルワークフォースのオンボーディング、トレーニング、能力開発、管理に備えることを意味します。
最終的な目標は、デジタルワーカーとヒューマンワーカーを統合し、ビジネスに適切な成果をシームレスにもたらす1つの強力かつ協調的なワークフォースにすることです。言い換えると、ヒューマンワーカーが必要なところでは人間を使用し、それ以外はできるだけ自動化します。
自動化のプロセスを確立して最適化したら、デジタルワークフォースを実稼働に移せます。重要なのは、デジタルワーカーをモニタリングしながら管理し、常にプログラムでさらなる拡大の機会を探すことです。
デジタルワーカーが適切にトレーニングされるよう、プロセスを文書化します。何らかの問題がある場合は、早い段階で問題を捕捉することが最善です。そうすることで、組織の全体的な目標に向けて努力し続けられます。
ワークフロー内のタスクを処理するようにデジタルワーカーをトレーニングする際は、正しい手順に従うとともに、ガバナンスとセキュリティを確保する必要があります。
稼働中のデジタルワーカーのパフォーマンスをモニタリングしてください。円滑に実行されていて、目的のビジネス成果とROIを達成していることを確認する必要があります。
SS&C Blue Prismは、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)プラットフォームにコグニティブテクノロジーとビジネスアプリケーションを結合し、ヒューマンワーカーとシステムが融合された、安全でスケーラブルなデジタルワークフォースを提供します。このプラットフォームを使用すれば、優れた費用対効果を維持しながら迅速にデジタルワークフォースを最適化できるため、オートメーションを企業全体に拡大できます。
インテリジェントなSS&C Blue Prismデジタルワークフォースによって、市場投入までの時間が短縮され、効率化を素早く達成できます。また、従業員が卓越したカスタマーサービスの実施といった価値の高い作業により多くの時間を費やせるようになるとともに、ビジネスの飛躍的な成長と収益性の向上が促進されます。さらに、高度なセキュリティ、コンプライアンス、ガバナンスも確保されます。
クラウドとオンプレミスの両方で利用できる、主なエンタープライズインテリジェントオートメーションプラットフォームの機能の一部をご紹介しましょう。
デジタルワーカーは、ビジネスプロセス内で学習して問題を解決できるよう、人工知能(AI)と機械学習(ML)の機能で強化できます。RPAを使用すると、ビジネスプロセスを自動化し、ビジネス全体に展開可能なデジタルワークフォースを作成できます。
再利用可能な「オブジェクト」を使用して、ドラッグアンドドロップ操作によって一切コードを使わずにプロセスを自動化できます。デザインスタジオでオブジェクトを一度作成すれば、ビジネス全体で再利用できるので、迅速にオートメーションを拡大できます。
一連のデジタルワーカーのパフォーマンスを一元化したビューで確認し、オンデマンドでプロセスを割り当てることができます。コントロールルームでは、SLAベースのオーケストレーションを行って、優先度の高い順から作業が行われるようにすることができます。また、モニタリング機能が用意されているので、ビジネス全体で安定したセキュアなオートメーションを維持できます。
APIを使用して、デジタルワークフォースのユーザー管理を制御、モニタリング、統合できます。SS&C Blue Prismでは、APIフレームワークを拡張し、ビジネス全体でのよりスマートなオーストレーションと併せて、補完的なデジタルテクノロジーによるモジュール式のプラグインのイノベーションとカスタマイズに対応できるようになっています。さらに、Digital Exchange(DX)から入手できるAIとMLの機能を活用して、デジタルワーカーの意思決定スキルを向上させます。
ダッシュボードやデータビューに素早くアクセスして、ワークフローをカスタマイズしたり、プロセスが円滑に実行されるよう、オートメーションを追跡し、デジタルワーカーの正常性をモニタリングしたりできます。このコントロールインタフェースでは、ビジネスを支援するデータインサイトを入手できるため、事業にとって最もインテリジェントなプロセスオートメーションを容易に特定できます。さらに、このコントロールインタフェースではデジタルワーカーを簡単かつ効率的にオーケストレーションできるうえ、場所や時間を問わず、どのデバイスからでも、複数作業を同時に遂行するデジタルワーカーを観察し、モニタリングすることができます。
厳格なユーザーアクセス制御とマルチレベルの承認によって、トップレベルのセキュリティ標準と開発手法を組み込んでいます。SS&C Blue Prismの自動化ソフトウェアは、詳細かつ信頼できる監査証跡を提供できるよう、システム内のあらゆるアクションを自動的にログに記録して、プロセスワークフローを完全に可視化します。
SS&C Blue Prismの完全な製品ポートフォリオの詳細については、弊社のポートフォリオページをご覧ください。
デジタルワーカーは、大量のタスクを遂行し、従業員を単純作業から解放して企業の効率性を高めるソフトウェアロボットです。適切に設定してモニタリングすれば、デジタルワーカーが組織全体のシステムプロセスでのデジタルトランスフォーメーションを可能にします。
デジタルワーカーをプロセスに実装する前に、従業員とシステムの態勢を整える必要があります。十分な準備と計画が、オートメーション全体のROIの目標達成と、将来に向けた企業のイノベーションにつながります。
適切に利用することで、デジタルワーカーは組織のオートメーションの取り組みに不可欠の貴重な要素になります。
事例
ファイザーがインテリジェントオートメーションを拡張して患者の生活を変えるブレイクスルーを実現した方法
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