新しいテクノロジーを最大限に活用する

人間とAI（人工知能）が対峙する時が来ました。両者とも、どちらが勝者となるかをはっきりと証明すべく、万全の態勢を整えています。

しかし、別の方法はないのでしょうか。人間、AI、ロボット...それぞれに強みがあります。一緒に仕事をするのはどうでしょうか。

人間とAIは協働できるのではありませんか。

SFの世界では、AIが人類の存亡に関わる最悪の敵であるという考え方が蔓延していますが、それはあくまでフィクションです。現実には、AIにできることも、人間にできることも数多くあります。したがって、両者が協力し合えば、さらに多くの作業を、質を高めながら高速化・効率化することができるのです。それこそが、時代を超えて進化するテクノロジーが持つ本来の目的、「人々の生活を豊かにする」ということなのです。

ここでは物騒な考えは脇に置くことにして、AIを活用し、人間と機械のコラボレーションを発展させる方法を探りたいと思います。その前に、AIと人間のコラボレーションとはどういうことか、詳しく見ていきましょう。

AIと人間のコラボレーションとは

単純に言えば、AIシステムを利用して人間の意思決定やコンテンツ制作などを補助するということです。インテリジェントオートメーション（IA）とは、AI技術とロボティックプロセスオートメーション（RPA）を組み合わせて反復作業を自動化し、複雑度の高い作業に人員を集中させるという、ビジネスの事例です。

IAに属するその他のテクノロジーには、たとえば、文書を読み取る光学式文字認識（OCR）、人間の言葉を理解する自然言語処理（NLP）、意思決定に役立つパターンを特定する機械学習（ML）、将来事象を予測する予測AIなどがあります。

インテリジェントオートメーションにより、大規模データ分析の高速化および高精度化、プロセスの最適化および合理化、プロセスの実行方法に関するデータに基づく洞察を利用した意思決定の改善、従業員の働き方や企業全体での顧客対応の変革を実現できます。

AIと人間のコラボレーションの具体例

愛車に乗り込んだら、まず何をしますか。ガソリンは満タン。では、行き先は？Google Mapsは、人間がAIを利用している良い例です。最近では、携帯電話の代わりに紙の地図を使っていた時代は遠い思い出になりつつあります。

そして、生成AIの登場です。生成AIは、学習データに基づいて新たなコンテンツを作成・生成する能力で知られる画期的なAIテクノロジーです。テキスト、コード、画像、音声、さらにはプロセスまで生成でき、カスタマーサービスからマーケティングまで、各種市場の生産性を向上できます。

生成AIでインテリジェントオートメーションを強化するには、人の労働力とデジタルワーカーのAIとのコラボレーションをこちらのeBookでご確認ください。

人間とAIのコラボレーションが重要な理由

テクノロジーを連携する場合、人間が何よりも大切にしている「時間」を中心に据える必要があります。働き手がかつてないほど疲弊している今、従業員の負担を軽減し、ワークライフバランスを促進することで、全体的に仕事の質を高めることができます。生成AIのようなAIテクノロジーを利用すれば、単調で無駄なタスクの数が削減でき、従業員が価値の高い戦略的イニシアチブに集中して取り組めるようになります。これにより、従業員は仕事に対するやりがいを感じやすくなり、組織のミスは減り、効率性と適応性を高め、従業員の生産性を向上できます。これこそ全方位的な成功といえるでしょう。

AIは仕事を奪い取ろうとしているのではなく、今ある仕事から、さらに仕事を受け入れる余地を作ろうとしているのです。たとえば、インテリジェントオートメーションのデジタルワーカーは、従業員にとってはデジタル空間に存在する同僚です。従業員の仕事をサポートし、各種のシステムを接続し、重要なデータを追跡してくれます。

人間とIAのコラボレーションを実現するには

生成AIのようなテクノロジーを組織に導入する際には、考慮すべき点が数多くあります。そのテクノロジーを活用したい場面は決まっているか。解決すべき課題は何か。どのようなリソースが利用できるか、といった点です。

生成AI導入のチェックリスト

ここで、生成AIを例に、考慮すべき点をチェックリスト形式でご紹介します。

1. 作業の遅滞やボトルネックが存在する箇所を特定し、生成AIがこの問題を解決する方法を判断する。
2. AIの機能や、人の労働力とデジタルワーカーのコラボレーションの方法について、従業員にトレーニングを行い、教育する。
3. AIコンプライアンスのガイドラインを使用して、システムの適正な運用方法を確立する。
4. 他社における生成AI活用による自動化プログラムの拡大について、生成AIのユースケースを調査する。
5. 組織全体で適正なAIガバナンスを確立する。
6. 自社に合ったテクノロジーを探す。

当社は、AWSと協力して開発した、生成AIとIAを組み合わせることで仕事の進め方を変革するソリューションを推奨します。ユースケースには、アナリストや財務報告、医療アプリケーション、コンタクトセンターサポートなどが挙げられます。AWSとSS&C Blue Prismによるインテリジェントオートメーション向けのエンタープライズレベルの生成AIの詳細については、リンク先をご覧ください。

導入のご検討には、生成AIに備える方法を解説した、こちらのサバイバルガイドをご覧ください。

最善の結果を得るには

人間とAIが協力し合うことで、優れた成果を生み出せる可能性が生まれます。人間とAIのコラボレーションがもたらすさまざまなメリットの例は、以下のとおりです。

• 業務プロセスを簡素化し、合理化する。
• 従業員が新しいテクノロジーを活用し、アイデアを出し合えるように支援する。
• 透明性の高いデータを正確かつ安全に収集し、的確なレポーティングを行う。
• 従業員を無駄な作業から解放し、スキルアップにつなげる。
• さまざまなレベルやシステムにまたがる仕事の進め方を再検討する。

たとえば、自動運転車のコンセプトでは、自動車が目的地まで連れて行ってくれる間、人間はリラックスして座っていられます。シカが道路に飛び出してきた場合には、即座にブレーキがかかります。人間の動作では時間がかかり、事故につながるおそれもあるでしょう。自動運転車は、運転者に取って代わるものではなく、運転者の体験の質（および安全性）を向上するために補助するものです。

AIはあくまでもツールです。生成AIも同様です。擬人化したとしても、実際には、人が仕事を効率化するための手段にすぎません。そして、どこかに消え去ることもありません。そうであるなら、積極的に活用してみてはどうでしょうか。